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2010年10月01日

Cross Talk 細野晴臣×原口宏

SS&R 2010年10月号
Cross Talk 細野晴臣×原口宏
〜最新型リボン・マイクはビンテージを超えるか?

でリボンマイクについて細野さんと対談しました。



以下実用上の注意点を補足しておきます。

●リボンマイクらしい音色は双指向で味わえるが
低域の特性には注意が必要。

 例えばRCA77DXは双指向だけでなく単一指向にも切り替えられるが、その周波数特性を見てみると、双指向がもっとも44BXに近い特性である。前面での指向性の狭さや側面での特性を見ても、一般にリボンマイクらしい特性は双指向性でこそ味わえるのではと筆者は感じている。同様にAT4080も双指向なので高域に少しディップがあり、50Hzあたりが盛り上がった、RCAマイクに似た特性を見る事ができる。この点では古いリボンマイクの特徴を受け継いでいると言っていいだろう。
 もちろん厳密には特徴ある周波数が44BXとは違うので、マイクの機種ごとにいいサウンドで録れる楽器がだいぶ違ってくることは予想される。また気をつけて欲しいのはこの50Hzあたりをピークとする低域の盛り上がりが、録音上で問題となるケースが少なくないのではということだ。ある程度距離を置いた音源に対しては問題は少ないが、メインボーカルで割と近づいた場合にはおそらく適度なローカットが必要。ちなみにRCAの44BXや77DXにはボイス向けのローカット回路が2段階で用意されている。
 紙面でリボンマイクを褒めた手前、この注意点だけは書いておきたかった。以上をふまえ皆さんにはリボンマイクの良さを最大限に味わっていただきたいと思う。


●リボンマイクを使う際の
マイクプリ側の入力インピーダンスについて

 UniversalAudioのLA610Mk2とリボンマイクの接続に関して補足。インタビュー内で受け側500Ωの方がリボンマイク向きという記述があるが、これは出力30Ωといったごく一部の特殊なリボンマイクにも対応できるという意味。通常のリボンマイクは出力が300Ωあたり。また状態の悪くなったマイクでは1kΩあたりまで特性がずれたマイクもあるらしいので、一般的には受け側2kΩの方がリボン向きと考えることもできる。RCA44BXは出力270Ω(30Ωにも内部切り替え可能)でどちらの入力インピーダンスで受けても間違いではなく音色が好きな方を選べばいい。ちなみにAEAの同等マイクの推奨値は受け側1.2kΩ以上となっており、マイクの出力インピーダンスの4倍〜8倍といった入力インピーダンスを推奨しているケースが多い。
 一般的にはマイクプリ側の入力インピーダンスが低い方が落ち着いて味わい深く、しかし悪く言えば地味な音。入力インピーダンスが高いと音が明るくなって中低域は減る。通常リボンマイクは低音が多めなので、少し高いインピーダンスで受ける方がすっきりして使いやすいという傾向もある。でも当方が聴いた感じではAT4080もそうだが、受け側500Ωの方がリボンらしい味わいが多くて個人的には好き。とにかくマイクプリ側で入力インピーダンスが切り替えられるのは、マイクや音源とのマッチングの選択肢が増えてありがたい機能だ。
posted by はら at 00:52| S&R
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